仙介、そして琥泉を醸す泉酒造株式会社は兵庫県神戸市東灘にあります。
創業は宝暦年間という250年の老舗。
が、1995年の阪神・淡路大震災で蔵を焼失します。
さまざまな苦労を越えた2007年1月17日、「あの日」から12年後、
焼け残った商品倉庫を蔵に改造して、見事に復活を遂げました。
苦難を越えてきた酒なのです。
が、明るく仲のいい若いスタッフからは笑顔が絶えません。
写真中央の藍さんは泉酒造の取締役。
復活当初は造りの中心でしたが今は経営側に回っています。
泉酒造さんとの出逢いは、元々は友人からの縁で
復活二年目2008年の夏に藍さんを訪ねたのがきっかけ。
当時僕はまだアマチュアでしたが、思えばあのご縁がここまで繋がっているのです。
そして藍さんの左隣が現杜氏の和氣卓司さん。
関西人特有のユーモアとめちゃめちゃ頑固な職人気質が同居したナイスガイ。
そして一番右、造りの最中もずっと半袖!(笑)の大河内さんが右腕となって和氣杜氏を支えます。
さらに一番左、いつも店を訪ねてくれる営業の永井さんが
真面目な顔でゆる~くボケつつ全体をまとめる、みたいな(笑)
まぁ、なんというか、全員がそれぞれの持ち場で頑張っています。
常に向上心を持ち続け独自の理論と「不可能」を取り払った和氣さんの姿勢、
それを二番手でしっかりどっしり構えつつ支える大河内さんの真面目なキャラクター、
その酒を自分なりに解釈しつつ、柔軟かつ生真面目な姿勢でお客さまに伝える永井さん、
そしてそれを高いところから眺めて自由に遊ばせながらたまにサクッとツッコむ藍さん(笑)
蔵のキャッチフレーズでもある「老舗の産声」は年々急激な進化を遂げています。
ちなみに「仙介」とは酒造りを創業した初代「泉仙介」氏の名前から取ったそうです。
その進化にわくわくしつつ、酒の向こうに彼らの笑顔が今日も揺れている気がするのです。
今回は僕が普段から懇意にさせていただいている
大塚のイタリアンレストラン「KITCHEN-Zucca(キッチンズッカ)」さんを舞台に、
イタリアンと仙介のコラボを楽しんでいただく会として、
泉酒造から杜氏の和氣卓司さん、営業の永井正明さんをお迎えして会を開催いたしました。
ズッカは青木さんという変わった大将(笑)がやっている小さなお店ですが、
旬の食材を大切に美味しくて楽しいイタリアンを出してくれる家庭的な雰囲気のお店です。
イタリアンと日本酒を合わせること自体は既に定番となっており、その点では特に目新しさはないでしょうけれど、普段から感じている仙介の持つポテンシャルを引き出すには絶好の機会かな、そう考えての開催となりました。
どんな会になりましたか・・・・・簡単にご紹介させていただきます。
スタート前のショット。気合いのファイティングポーズ(笑)
左から、営業の永井さん、杜氏の和氣さん、ズッカの大将青木さんです。
まずは和氣杜氏と永井さんからご挨拶。
ズッカさんはMAXで14名の小さな空間ですが、声を届ける会にはぴったりです。
前菜の前菜。
青海苔を練り込んだパンのようなピザ(って青木さんが言ってたような・・・笑)
若鶏と銀杏、そして鰹のスモークと焼き茄子の二種のテリーヌ。
のっけから秋全開、そしてめちゃめちゃ美味しいです♪
秋刀魚とフレッシュトマトのサラダ。
国産とイタリア産のトマトを混ぜて香味を立たせているのがまたニクい♪
ミートソース、そしてカニクリームソースの二種のライスコロッケ。
アツアツで特にカニクリームソースがめちゃめちゃ好みでした♪←個人的嗜好w
あまりの美味しさに会場も大盛り上がり。
実はあまりお酒が強くない永井さん、かなり酔っ払ってます(笑)
鱧と松茸のスパゲッティ。いやーこれは贅沢で美味しかった♪
メイヤーレモン(オレンジとの交配)がまた料理を一段と引き立てていました。
余ったソースはこの自家製パンでふき取って食べると二度美味しい♪
そしてメインの庄内三元豚のロースト~根菜のコンフィソース添え~
柔らかくてもっちもちの豚の食感と根菜のバランスが美味しかった~~~♪
青木さん、お疲れさまでした!
イタリアン好きの僕らが大塚で一番信用しているというか何でもお任せできる「安い!美味い!遅い!(笑)」がキャッチフレーズのお店です。口は悪いけど腕(と顔・・・本人談w)はいい、素敵な空間。機会がありましたら一度お出掛けください。
左から、
1.仙介 純米吟醸
2.琥泉 純米吟醸 夏の原酒(一火)
3.琥泉 純米吟醸 無濾過生原酒
4.仙介 特別本醸造 原酒(一火)
5.仙介 特別純米 夏純米(一火)
6.仙介 特別純米 無濾過生原酒
7.仙介 特別純米 三夏越えたひやおろし(22BY)
ちょっと秘蔵のお酒も出しつつ、現在の仙介・琥泉の全力をぶつけてみました。
あえて「マリアージュがどうのこうの」言うこと自体がバカバカしいほど、仙介とイタリアンの相性は抜群だったことを申し上げておきます。
女子に囲まれ内心ウフフ♪の和氣杜氏(笑)
彼の秘めた熱い想いも、今回は充分に伝わったのではないでしょうか。
首都圏ではまだまだ無名の仙介ですが(琥泉は地酒問屋さん経由でたまに見かけるようになりましたが)ここ数年で目を見張る進化を遂げています。特にこの24BYは圧倒的に飛躍をした年でした。22BYから杜氏を任された和氣さんが蔵の癖を掴み、香りと酸、そして透明感に自身の理想を近づけることができた一年だったように僕は感じています。これからの仙介、見逃せません。
永井さん、顔真っ赤(笑)
ズッカの青木さん、永井さん、そして和氣くん、本当にお疲れさまでした!!!
大塚/KITCHEN-Zucca:http://tabelog.com/tokyo/A1323/A132302/13044915/