九郎右衛門、木曽路を醸す「湯川酒造店」が火災に遭ったのは2/25未明のこと。幸いにして人的被害はなかったものの今期後半の造りを断念せざるを得ない逆境に見舞われました。復旧も順調に進み蔵人も笑顔を取り戻しつつありますが湯川酒造店の長い歴史の中に刻まれる出来事となりました。
取引先でもありますが何より大切な友人として何かできないだろうか、考えた挙句僕にはやっぱりこれしかなかった・・・長野の酒メッセで上京するお二人を掴まえて(笑)お酒の会を(長野酒メッセを挟んで)三連発で開催することにしました。東京3DAYS・・・今回はついにファイナルの様子をお伝えします。
・・・・・というわけでついに辿り着きました、最終日。合意の上とはいえ(笑)過酷なロードに終始笑顔で付き合ってくれたこの二人にまずは心から感謝。15日の長野酒メッセを挟み、14日・16日・17日の三日間もお酒の会を一緒にやってくれる蔵なんてなかなかおりません。取引先という間柄を超えたよき友人に恵まれました。尚ちゃん、慎一くん、本当にありがとう。
なーんて言いながら、前日の地酒屋のぼるさんで朝5時まで飲んでたこの二人(笑)尚子社長は大丈夫でしたが、実は慎一杜氏は二日酔いが抜け切らないままのスタートとなったとかならないとかw
まずは一品目の「カボチャ豆腐」 ねっとりふわふわでカボチャの自然な甘味が優しいです。疲れた胃に(笑)じんわり染み込みます。
二品目は「ワラサの軽い酢〆 野沢菜の薬味」 これは酢〆と野沢菜の酸っぱ味が九郎右衛門とベストマッチ、これはワザありの一品でした。
三品目は「竹の子・厚揚・豚のゴマ煮」 ダシの旨さが各素材にしっかりしみています。ほどよいゴマ味がダシの旨味を膨らませて、これは個人的に大好きな味。
四品目は「2種のウリの炒め物」 ツナを絡めつつ、ウリの旨さをウリ臭くなく引き出した一品。さっぱりした印象ながらしっかりうめー♪
五品目は「山菜(こごみ&コシアブラ)の味噌和え」味噌味を控え目に、山菜の滋味と苦みを生かした一品に仕上がっていました。
そして六品目、あちこちで「うめー♪」の歓声が上がった「新ごぼうの唐揚」揚げる前に仕事がしてある為めちゃめちゃ柔らかくて旨味たっぷりでした。
きの字さんの素晴らしい料理はまだまだ続きますが、ここで昨夜から恒例のアレを。
今夜もバカップルポーズ!(笑)
思いっきり照れてましたが無茶振りさせていただきました。
さて、料理が続きます。
七品目は「冬瓜の冷たい煮物」 ダシと冬瓜が一体になり海老がアクセントになっています。エキサイトした舌をクールダウンしてくれるひと皿でした。
そして八品目は「ホタルイカと九条ねぎ」ボイルしたぷっくぷくのホタルイカにしっかり塩を利かせた九条ねぎ、これもワザありだったなぁ。
そして九品目、〆は「野菜たっぷりの冷やし雑炊」 これは今の季節にはたまりませんね~~~トマト味の冷や汁って感じでいくらでも食べられちゃう。
旬の素材の力を引き出した、いつものことながらお見事な料理の数々。九郎右衛門のしっかりした酒質と抜群のマッチングを魅せ、今夜の会をより盛り上げてくれました。
そして今夜もこの9種類を存分に楽しんでいただきました。左から順に・・・・・
1.九郎右衛門 純米吟醸 生にごり スノーウーマン
2.木曽路 純米吟醸
3.九郎右衛門 純米吟醸 愛山 生
4.木祖地 愛山 一段仕込
5.九郎右衛門 純米吟醸 生 9号酵母
6.九郎右衛門 純米吟醸 生 長野酵母
7.九郎右衛門 特別純米 生 9号酵母
8.木曽路 山廃純米 あらばしり
9.木祖地 醸し屋バカップル
今回の【3DAYS】でたくさんのことを学びました。
きっかけはもちろん湯川酒造店の火災であり、変な言い方ですが火災がなければ実現しなかった会だったわけですが、やらせていただいてよかった。いえ、より正確な気持ちを表現するとやらせていただいて光栄でした。いち取引先である前に親しい友人である蔵元を何か支援したいという単純かつ稚拙な、ある意味個人的な想いを「三日間連続で酒の会を開催する」という少々無茶な形で表現したわけです。が、もちろん一人(と二人)でできるわけはなくいらしてくれるお客さまがいて初めて形になるわけですが、この企てに連日満席、累計77名ものお客さまに応援をしていただけたのは本当に・・・うん、やはりこれは「光栄でした!ありがとうございました!」なのです。ここのところ少し傲慢になりかけていた僕の心に「感謝する」気持ちをあらためて教えてくれた三日間でした。
ありがとうございました。
なんかね、好きなのこの写真。
みんなの笑顔、みんなの興味津々。
これからも尚子社長と慎一杜氏、そして湯川酒造店をよろしく♪