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Channel: 地酒屋こだま TAKE’s ROOM
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志賀泉、始まりました。

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長野県北部の信州中野にて酒を醸す志賀泉酒造。その創業は昭和38年と新しくもともとは共同の瓶詰め場だったところからのスタートで設立当初は複数の蔵の酒を醸造する役割だった歴史があります。

敷地が広くて僕は裏山の風景が大好きなんですが、そんな志賀泉酒造に平成14年から蔵に入り修行を重ね平成21年から杜氏として頑張っている若き蔵元、中山佳紀くんは昭和54年生まれの今年36歳。東京農大醸造科を卒業後一般企業に勤めた後に蔵に戻りました。

そんな彼と出逢ったのはもう10年くらい前のとある試飲会。当時彼は前杜氏の下で修行中のいち蔵人だったのですが、そのバランスのいい酒質に惚れてご挨拶させていただき、それからつかず離れずずっと注目させていただき、ここ数年は毎年蔵に足を運んでその酒質の進化を見守っていました。

そして平成28年3月、この27年度醸造のお酒よりついに取り扱いをスタートすることになりました。主要銘柄はこの「一滴二滴」や「志賀泉」など。



もともとはそれなりに大きな規模で酒を醸していた蔵ですが、現在は中山杜氏と若干名の手伝いで少量の仕込みをしています(現在約350石)。仕込み本数も少なく、誤解を恐れず言えば酒質としてもまだまだ発展途上の蔵ですがとにかく中山杜氏が頑張っています。

とりあえず現時点での志賀泉の特徴は中山杜氏の人柄が滲み出たような酸の柔らかなホッとするお酒、そんな辺りが特徴と僕は思います。車で片道30分の木島平村の龍興寺の湧水を汲みに行き(大変!)仕込みに使ったり、もともとの規模ゆえ決して使いやすいとは言えない蔵の設備の中でひとつひとつの工程を見直し工夫しながら毎年酒を進化させ、自身の造りを追求している中山杜氏の姿勢には常々共感を覚えていました。口数は少ないけど見えないところで一生懸命頑張ってるんだよねー。



流行の酒質でもなければ大きな特徴のある酒ではないかも知れません。が、なんだかいい。しみじみ旨い、そんなお酒を醸しています。これから無限の可能性を秘めた、志賀泉と中山杜氏のこれからにご期待ください


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